言うは易く行うは難し
2022年 05月 30日
給田の様子をお伝えしようと思っていたのですが、
慌ただしく過ごしているうちに、あっと言う間に5月になってしまいました。
最近では、部屋の中にまでタンポポの花が広がっています。
今年は例年よりも早めに咲いた給田の桜。
春休みにはお花見しながらお弁当を食べる子もいました。
桜の咲く前の3月前半には、「にじのこで働くということ」をテーマに
内部研修が行われました。
私自身は研修を通して、
自分たちが活動の中で興味深いと感じたこと、大切だと感じることを発信することが、
ささやかでもよりよい社会をつくることにもつながるのではないか、
ということを考える機会となりました。
その一環として、これからも発信したいと思います。
さて、以前の記事で、理事長から紙の鳥が届いたことをご報告しましたが、
新たにたくさんの使用済み切手が届きました。
最近ではSDGs(持続可能な開発目標)という言葉をよく耳にするものの、
いざやろうとすると実行に移すことは難しいものですが、
にじのこに入職した直後より、封筒を裏返して再利用するなど、
SDGsにつながる実践を行っていた理事長。
過去にも自宅で補修した網戸用の網が余ったので
活用できないかと託されたことがあったのですが、
今回は給田でどのように活用したかというと……。
窓に見立てて、家のデザインにしました。
皆でつくった家が集まり、自分たちの写真を組み合わせて、
にじのこタウンの完成です!
多様な切手があったのですが、
花を集める子、規則的に並べる子、敷き詰めて貼り合わせる子、
人物の表情が気になったのか、前島密の1円切手を並べる子など、
それぞれのやり方があって、子どもたちの個性を感じる機会となりました。
感染症対策でペーパータオルなど、
どうしても使い捨てしないといけないものもあるのですが、
あるものを活かすという点では、環境に対しても、
教材費の節約という観点でにじのこの運営にも(?)「やさしい」内容でした。
先程、何気なく「やさしい」という言葉を用いましたが、
最近、「やさしさ」について考える機会が多々あります。
先日、にじのこの子どもたちから、
「やさし力(りょく)」という言葉を教えてもらいました。
「やさしい」の語源などを厳密にたどれば、
もっと複雑な議論になるのかもしれないので差し控えますが、
ここでは、軟弱に対応することではなく、
相手を思いやって対応するということになるのかな……と思われます。
コロナ禍の中で、慌ただしくしているうちに、
無意識で心無い言葉を口にしていることもあるのではないか……、
どこかで寛容さが失われているかもしれないのではないか……。
そんなことを考えさせられ、
自分には「やさし力」は欠けているな……と、身に沁みた言葉でした。
皆が「やさし力」を持つことができたら、
ただ他者を蹴落とすような争いごとなどはもっとなくなるのかもしれませんね。
支援の中で「やさしさ」を考えたときに、
例えば、関わり方の方法のひとつとして、
具体的に相手の肩を「やさしく」たたいて呼び掛けることを伝えています。
道具を片付ける場面で、物を大切に扱うことや、
相手に順番を譲るということも、
「やさしく」接するということに含まれるかもしれません。
一方で、「やさしさ」って何だろう……と考え始めると、ふと迷うこともあります。
仮に集団活動に参加していない子がいたとして、
ただ参加に導くことが「やさしさ」なのか、
まずは子どもたちの可能性を信じて、
少し距離を取って見守ることが「やさしさ」なのか……。
職員としては、とにかく子どもたちに呼び掛けられたら
駆け付けることが「やさしさ」なのか、
助けを求められることは大切なことだけど、過度に依存せず、
自分で取り組むということを大事にするなら、
少し距離をとることが「やさしさ」なのか……。
保護者支援を考えたときに、
まずはその時点での大満足を得られるように配慮することが「やさしさ」なのか……。
当然それは大切なことだけど、成人になってからのことを見据えるとしたら、
手続きの手間はあっても、何かあったときのために、
関われる社会資源を増やす提案をすることが「やさしさ」なのか……。
以前、退職した職員から、
「無自覚に考えもなく言葉を使うこと、悪気がなく使うことは一番の罪」と、
言われたことがあります。
簡単なこと、「易しい」ことではないかもしれませんが、
ある視点から考えると、こぼれ落ちてしまうかもしれないものを、
どうやってすくい取って行くかに目を向けていくこと、
完璧は難しいかもしれないけど、さまざまな可能性を考えながら、
そっと相手を後押しできるような言葉を紡いでいくことが
「やさしさ」につながるのかな……と思いました。
そのためには、何事にも柔軟に対応できるような、心の余裕も必要でしょうし、
無理をせず、自分の身体に「やさしく」あることも大切なのかもしれません。
「言うは易く行うは難し」ということわざがありますが、
少しでも「やさし力」を伸ばしながら、2022年度を迎えていければと思います。
よろしくお願いします。
デイサービスにじのこでは、引き続き職員を募集しております。
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by niji-noko
| 2022-05-30 15:11
| デイサービスにじのこ給田